【まとめ】細胞周期とは?G0期についてもわかりやすく解説【高校生物】

この解説では、細胞周期についてわかりやすく説明します。

まずは、G1期・S期・G2期・M期といった用語について理解しましょう。また、高校生・受験生にわかりづらいG0期についてもまとめています。

なぜ細胞分裂するのか?

そもそも、なぜ細胞は分裂する必要があるのでしょうか?

全ての生物は細胞を基本単位としています(細胞説と言いましたね)。

細胞にも寿命があります。例えば皮膚の細胞であれば1ヶ月、赤血球は3ヶ月、中枢神経の神経細胞は数十年とも言われています。いずれにしても、細胞の寿命は種類によってまちまちですが、寿命があることに変わりはありません。

個体を存続させるために、細胞はジャストなタイミングで、正確に細胞分裂をする必要があるのです。

上のようなイラストを見ていると、全ての細胞は常に分裂しているように感じるかもしれませんが、実際にはそうではありません。
この後のG0期でも解説しますが、寿命の短い細胞は頻繁に分裂し、寿命の長い細胞はあまり分裂しない、とも言えますね。

細胞周期とは

細胞が成長すると、細胞は分裂して2つに分かれ、それぞれの細胞はまた成長し、その後分裂を繰り返します。

1回の分裂を終えてから次の分裂を終えるまでのサイクルを細胞周期と言います。

細胞周期は、大きく、間期とM期(分裂期)に分けられます。

間期はさらに、G1期・S期・G2期に、

M期(分裂期)は、前期・中期・後期・終期に分けられます。

GとかSとかMってどういう意味?

GはGap(すき間)、SはSynthesis(合成)、MはMitosis(有糸分裂)の頭文字です。

英単語の意味を覚えておくと間違えづらくなりますよ。

間期・M期(分裂期)とは?

細胞分裂が終わってから、また次の細胞分裂が始まるまでの期間を「間期」と言います。

間期は一見すると細胞の核に構造上の変化が見られませんが、実際には物質の合成などを行い、細胞分裂のための準備を進めています。

そして、実際に細胞分裂を開始するのが「M期(分裂期)」です。

G0期って何?

G0期とは、細胞が分裂を停止している状態です。

テストや受験では細胞分裂の仕組みが大事なので勘違いしやすいですが、ほとんどの細胞は分裂の準備を停止したG0期の状態で留まっています。

細胞が正常な機能を発揮するためには、分裂を停止し、その細胞本来の機能(特定のタンパク質の合成など)を行うことが重要だからです。もし細胞が無秩序に増殖し続ければ、それはがん細胞と呼ばれます。

①G1期とは

G1期とは、「DNA合成準備期」とも呼ばれます。

その名の通りG1期では、細胞自体が成長しつつ、DNAを複製するために必要な酵素などを用意しています。

また、DNA自体が損傷していないかをチェックします。

もし問題が無ければゴーサインが出て、次のS期に移ることができます。

②S期とは

S期は、DNA合成期とも呼ばれます。

S期では、いよいよDNAの複製(コピー)が行われて、DNA量が2倍になります。

このとき、具体的にどのようにして新しいコピーを作っているのかというメカニズムは、高校生物で最も重要なトピックの1つです。

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③G2期とは

G2は、分裂準備期とも呼ばれます。

改めて確認ですが、まだDNA量が2倍になっただけであり、細胞は2つに分裂していません。

細胞分裂のために必要な酵素を準備し、DNAの複製が正確に行われたかをチェックしています。

④M期とは

M期は分裂期とも呼ばれます。

複製し2倍になったDNAが、それぞれの細胞に分配され、いよいよ細胞が2つに分かれます。(=細胞分裂)

細胞分裂は、「核分裂」と「細胞質分裂」の2つのステップに分かれます。

M期で具体的に何が起きているのかについては、次の解説をご覧ください。

これでこの解説は終わりです。ここまでお疲れ様でした。