【1分でわかる】セントラルドグマとは?例外についてもわかりやすく解説【高校生物】

セントラルドグマとは?
DNAを分厚い料理の本だとしましょう。
あなたが今晩食べたいディナーのレシピの情報はRNAという形でキッチン(リボソーム)に運ばれます。
その情報をもとにディナーの材料(アミノ酸)が運ばれ、調理されて、最終的にディナー(タンパク質)の出来上がり、というわけです。

セントラルドグマとは、DNAにコードされた情報が、DNA→RNA→タンパク質と一方向に流れていくという「概念」を指しています。何か特定の現象を指しているわけではありません。
復習ですが、
DNAからRNA(mRNA)が合成されることを転写
RNAからタンパク質が合成されることを翻訳といいました。
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「一方向」とはどういう意味? 
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要は「一方通行」ということです。逆走しないとも言えます。 例えば、タンパク質からRNAが合成されることはありません。また、タンパク質からDNAが作られることもありません。 
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じゃあセントラルドグマは常に正しいってこと? 
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残念ながら、そうではありません。 セントラルドグマの例外について説明しましょう。 
セントラルドグマの例外: 逆転写酵素とは
セントラルドグマの唯一の例外は、RNAからDNAの合成です。
一部のウイルスは、逆転写酵素というタンパク質を持っています。
「逆転写」つまり本来の逆方向に転写が行えるのです。RNAを鋳型として、相補的なDNA鎖を合成することができます。
「一部のウイルス」として代表的なのがレトロウイルスというグループに属するウイルスです。そして、レトロウイルスの中でも最もよく知られているのが、AIDS(エイズ)を引き起こすHIVです。

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レトロウイルスとHIVって何が違うの? 
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ウイルスにも様々な種類があります。例えば、新型コロナを引き起こすウイルスはコロナウイルス科の一員です。 これと同じように、HIVというウイルスはレトロウイルス科の一員ということです。 
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エイズとHIVって同じ? 
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HIVとはウイルスの名前です。(最後のVはvirus) 一方でエイズとはHIVによって引き起こされる症状の名前です。 「逆転写酵素を持つウイルスを答えよ」と聞かれて「エイズ」と答えたらバツになりますから気をつけてくださいね。 

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